【注目インタビュー 私のターニングポイント Vol.64】渡辺 大輔『何をどう頑張ればいいかわからないのがこの世界。だけど、とにかく頑張るしかないんです』(掲載開始日:2009年6月4日)

渡辺 大輔(わたなべ・だいすけ)
1982年11月6日生まれ。神奈川県出身。2006年にウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品『ウルトラマンメビウス』(TBS系)のイカルガ・ジョージ隊員役でデビュー。2007年12月より舞台『テニスの王子様』の4代目手塚国光役を演じ、注目を浴びる。今、最も注目を集めている若手俳優のひとりだ。

体育会系で生きてきた僕にとって芸能界はまったくの別世界だった (渡辺 大輔)

「大輔は役者に向いてるんじゃない?」と、何人かに言われたことはあったんですが、なかなか興味を持つことはできなくて。なにしろ、幼いころから中学生に至る十数年間、競泳選手としてオリンピックを目指していたほどのスポーツ少年でしたから。0コンマ何秒のタイムをいかに縮めるか、そのことだけをつねに考えていました。

高校生になってからは、今度はサッカーにあけくれる毎日。神奈川県というのは高校サッカー激戦区なんですが、中村俊輔選手を輩出した桐光学園高校と接戦を繰り広げたりして、青春をボールを追うことにぶつけていました。

役者の世界に目が向くのは、高校卒業が迫った進路相談のときで、先生にこんな風に相談してみたんです。「先生、今まで何度か、役者に向いていると言われたことがあるんですけど、挑戦してみたいんです」と。ところが先生、「いやぁ、渡辺には難しいと思うよ」と言うじゃないですか。なるほどそうなのかと納得して、大学に進学することになったんですが、心の底から納得していたわけではなかったんでしょうね。大学を卒業して再び進路について考えはじめたとき、また役者の道へ挑戦したいという気持ちがフツフツと湧いてきたんです。

このときは、迷いはありませんでした。就職をせず、アルバイトをしながら履歴書を芸能プロダクションに送り、オーディションをする毎日がはじまりました。

運で左右されるこの世界だけど努力することはとても大切 (渡辺 大輔)

それまで、スポーツの世界で頑張ってきた僕にとって、芸能界はまったくの別世界でした。

事務所が決まって、トントン拍子で海外でのCMの仕事をいただいたものの、まだそのころは何をどう頑張ればいいかわからない状態でした。

ただ、運はよかったんでしょう。CM撮影に行く前、『ウルトラマンメビウス』のヒーローであるヒビノ・ミライ役のオーディションを受けたんですが、惜しくも落ちてしまったんです。ところがそのとき、スタッフの方が、隊員のイカルガ・ジョージ役に僕を推薦してくれて、1週間の撮影を終えて海外から帰ってきた僕に「オーディション、受かったよ」という朗報が届いたんです。

ウルトラマンは、幼いころから憧れだった僕にとって、この役を演じることができただけで光栄なことでしたし、また1年という長い期間、同じ出演者、スタッフの方々と作品作りに携われたというのは、とても勉強になりました。

スポーツの世界では、「どれだけ速く泳げるか」とか「チームの中でどれだけボールに集中できるか」ということで、すべてが決まりますが、役者の世界には運も必要です。でも、運をものにするには、いただいたチャンスに向かって必死に努力することが大切で、電車の中で人間観察をしたり、演出家の方やベテランの俳優の方からいただいたアドバイスを繰り返し練習したり、そういう積み重ねがあって今の僕があるんだと思っています。

そう考えると、妥協を許さないコーチにしごかれた日々は、今の仕事に直接生かされていると思うし、すべての経験が無駄になっていないんだなと思いますね。

生の反響が返ってくる演劇の舞台は真剣勝負の場 (渡辺 大輔)

舞台版の『テニスの王子様』に起用されたときは、初めての舞台経験というだけでなく、この作品は舞台版のファンの方々の支持で盛り上がってきた舞台だけに、僕としては大きな冒険でした。

果たして僕が、4代目の手塚国光役にふさわしい役者なんだろうかと、迷いましたよ。だけど、安定よりも冒険を求めるのが僕の性格なんですね。とにかく、今の僕にできることをすべてつぎ込むという意気込みで、この役に臨みました。この役を演じているときは、私生活でも手塚になりきっているつもりで、例えば電車の中で席に座れたとしても、「手塚だったら背もたれに背をつけるようなことはしないだろう」と思って、ずっと背筋を伸ばしていたり(笑)。

それだけに、終劇後にお客さんが書いてくれたアンケートで、僕に対する励ましの言葉があったりすると、本当に感激させられたし、演じたことにその場でリアクションが返ってくる舞台という場の醍醐味も、存分に味わわせてもらいました。

今回の『ナナシ』にしても、初めての時代劇というだけでなく、30-DELUXの芝居、ダンス、アクション、音楽などが入り交じった「極彩色スピリチュアルエンターテインメント」の一員として、自分がどこまで頑張れるか、プレッシャーを感じつつも楽しみでワクワクしています。気合いをいれて、全精神をつぎ込んで取り組むつもりです。期待してください!

渡辺 大輔さんへQ&A

Q:最近、ハマってることは?
A:ダーツ。そこそこ楽しんでやっているつもりなんですが、体育会系なんで、つい夢中になってしまいます。
Q:落ち込んだときのパワーフードは?
A:肉食系です。友達を誘って焼肉を食べに行くのが楽しいですね。わいわい話しながら元気をもらえるのがいいですね。
Q:休日の過ごし方は?
A:空をボーッと見るのが楽しいですね。晴れ空や曇り空、雨空、それぞれ印象的で、これが人間観察と同じくらい楽しい。

これから演劇を楽しもうと思っている人へ

演劇は、セリフをしゃべっていない人の演技に注目しても楽しいし、何度も観るうち、お客さんの反応次第で変わっていく雰囲気を味わえる。だから、楽しみ方は、人それぞれあっていいと思うんですね。ただ、願うことがあるとすれば、終演後のアンケートは、みんな心待ちにして、熟読していますので、率直な感想を書いていただけるとうれしいですね。そのひとことが、明日の芝居を変えることがあるかもしれない。それが、演劇の面白さでもあると思うんです。

これから演劇をしようと思っている人へ

どんな世界でも、壁にぶち当たってくじけそうになることがあると思うんですけど、あきらめないことが大切だと、僕は自身に言い聞かせています。そのとき、自分に妥協せず、どれだけ努力することができるかが、その後の自分の糧になると思うんですね。そう考えてみると、真のライバルは自分自身で、努力したことは必ず実になるんだということを信じてほしいです。

渡辺 大輔さんの次回公演情報

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30-DELUX × Action Club MIX 「ナナシ」

2008年に行われた「ファミリア」の観客動員が8000人を超え、演劇界で人気急上昇中のユニット30-DELUXが、超大作映画さながらの奥深く感動的なストーリーの中に本格的アクションをミックスした新作『ナナシ』を上演する。特に今回は、有名劇団への出演・殺陣指導で活躍する、アクションクラブが融合することで、これまでにないアクション超大作が展開されることは必至。ゲストには様々な舞台を中心に活躍する佐野瑞樹を始め、バラエティ番組やフジテレビ「すぽると!」で活躍するタレント水野裕子、そして我らが渡辺大輔が大暴れする。「初心者から演劇通までも、納得できる作品」を追求した、壮大なアクションエンターテイメントを見逃すな!

東京公演 名古屋公演
2009年6月10日(水)~6月14日(日) 2009年6月20日(土)~6月21日(日)
全労済ホール/スペース・ゼロ テレピアホール
大阪公演
2009年6月26日(金)~6月27日(土)
松下IMPール
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取材・文/ボブ内藤(方南ぐみ) 撮影/石井和広(TFK)

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