【注目インタビュー 私のターニングポイント Vol.63】大沢 あかね『子役時代からオーディションで役をもらう厳しさを体験しました』(掲載開始日:2009年5月28日)

大沢 あかね(おおさわ・あかね)
1985年8月16日生まれ。大阪府出身。9歳のときに芸能界デビュー。2001年より雑誌『ピチレモン』(学習研究社)の専属モデルとしてカリスマ的な人気を集める。その後もCM、TVなど活動の枠を広げ、『クイズ! ヘキサゴンII』(フジテレビ系)などバラエティ番組でも軽快なトークで活躍。09年2月、自叙伝『母ひとり、娘(こ)ひとり』を幻冬舎から出版した。6月には日比谷シアタークリエゼブラ』にて初舞台に挑戦する。

テレビに映る北島三郎さんを観て「こうなりたい」と思っていました (大沢 あかね)

すべてのきっかけは、小学2年生のとき。

私の祖父(大沢親分こと大沢啓二氏)がテレビ番組で北島三郎さんと共演する機会がありまして、それをテレビで見ているとき、「北島三郎さんみたいになりたい!」と思っていたんです。歌手になりたいというわけではなく、舞台の上で大勢の人の目を引きつけ、自分を表現している姿に「カッコいい!」とあこがれたんですね。

プロフィール写真を撮って、劇団のオーディションに応募したのは、そのすぐあとのことでした。

でも、黙っていたら仕事がくるかといったらそうではないのが、この世界の厳しいところで、小学生の子役の私も同じ状況でした。エキストラのような小さな役でも、ひとつひとつオーディションがあって、最初の数年間はレッスンに通うだけで、なかなか役をもらえない日々が続きました。

その後、同じ劇団で売れっ子の人がたまたまお休みで、私がその代役としてオーディションを受けて、わりと大きな役をいただいたんですが、それをきっかけに、いろんな仕事をさせてもらえるようになって。

今から思えば、幼いころから役をもらうことの大変さと、この世界で仕事をしていくことの厳しさを肌で知ることができたことは、とてもよかったと思っています。

10代のころ、『ピチレモン』という雑誌が好きで「モデルになりたい」と思って編集長に売り込みに行ったのも、そういう経験が生きているんだと思います。そのころの私はぽっちゃり顔で、「あなたはモデルには向かないよ」なんて言われながらも小さな誌面から始めたんですが、専属モデルとして表紙を飾るまで頑張れたのは、最初に劇団で鍛えられていたからだと思うんです。

仕事がなく、崖っぷちの最中に「バラエティに出てみない?」と誘われて (大沢 あかね)

モデルになってからもすべてがうまくいったかというとそうではなくて、一時期は仕事がパッタリ途絶えてしまったこともあるんです。

いろんなオーディションに出ても、ことごとく受からないんですね。

だからそんなある日、事務所に呼ばれたときは「もしかして、クビ!?」なんて思いましたよ。ところが、「バラエティ番組に出てみない?」と提案されて、とにかくビックリしました。当時の私にとって、バラエティ番組はいちばん向いていない仕事だと思っていたんですが、崖っぷちの決断で「やらせてください」と答えていました。

それからは、与えられる仕事に一生懸命の毎日。バラエティ番組というのは、台本のないドラマのようなもので、その日のトークで誰が主役になれるか、誰にもわかりません。最初は、その場の空気も読めずに、ただ流されるままにしゃべっていただけだったように思いますが、途中からテレビを真剣に観て、いろんな人のトークの仕方を学ぶようになりました。「イスに座るときには背もたれを使わず、浅く腰掛けて、誰からのフリにも答えられるよう臨戦態勢で」という私のポリシーは、このときに生まれたものです(笑)。

2009年は、『印税スター! 誕生』(フジテレビ系)という番組に出演したのを機に、自叙伝『母ひとり、娘(こ)ひとり』を出版することになっただけでなく、「結婚」という大きな転機を迎えて、23年の人生で、また新たなスタートにたったような新鮮な気分なんです。

初舞台のチャンスを前にとてもドキドキわくわくしています (大沢 あかね)

そんな中、シアタークリエの『ゼブラ』の初舞台のお話をいただいたときは、運命のようなものを感じました。

舞台というのは、出演者にスタッフが、長い時間をかけて丁寧にお芝居を作っていくものですから、それに挑戦するにはよほどの覚悟が必要だと思っていました。だから、演劇の世界になかなか一歩を踏み出せなかったんですね。

ところが、台本を読ませていただいたところ、私が演じる美晴という役が私と同じ母子家庭で育てられたということと、結婚している女性という共通点もあって、「やってみたい」と思ったんですよね。私の中ではそれは、とても大きな決断でした。

特に美晴という女性は、思っていることをそのまま言葉にするような性格ではなくて、セリフの裏に、彼女が思っていること、感じていることを表現しなければいけない場面がたくさんあって、女優として表現力が求められる役でもあるみたい。

とにかく今は、私がそこで何を表現できるのか、不安でいっぱい。でもその一方で、また新しい自分を発見するきっかけになるんじゃないかという期待もあります。

間違いなくいえるのは、舞台にたった私は、バラエティ番組に出演しているときとは別のモードだということ。私自身、どんな舞台になるのか楽しみで仕方がないですね。

大沢 あかねさんへQ&A

Q:最近、ハマってることは?
A:結婚したこともあって、料理にハマっています。親友と料理部を結成して試行錯誤するのが楽しい。
Q:休日の過ごし方は?
A:家から一歩も外に出ないで、テレビを観たり、DVDを観たり。こう見えても、インドア派なんです。
Q:もし女優になっていなかったら?
A:小さいころから西村京太郎先生のファンで、十津川警部は憧れでした。刑事はタレント以上に憧れの仕事です。

これから演劇を楽しもうと思っている人へ

実は私も演劇に関しては、まったくの初心者で、舞台女優の親友に、「なんであかねは引っ込み思案なの?舞台って本当にいいんだよ」って言われるんです。今回、自分が舞台に出演するのを機に、「出演する」ことだけじゃなくて、「観る」ことにも夢中になるかもしれません。向田邦子作品は本当に奥が深くて、舞台作品もいろいろ観てみたいです。

これから演劇をしようと思っている人へ

この世界の厳しさって、私自身もわかっているつもりで、実は何を頑張ればいいか本当にわからない面がありますよね。だけど、あきらめずに続けていけるのは、人と人とのつながりの大事さだと思うんです。実際のところ、最近でも子役時代に出会ったスタッフの方と一緒に仕事をすることもあったりして、そのときそのときの出会いを大事にしようと心に言い聞かせています。

大沢 あかねさんの次回公演情報

「ゼブラ」の画像画像を拡大する
シアタークリエ6月公演 「ゼブラ」

向田邦子生誕80周年の本年、1979年にTV放映されて以来、幾度となく映画・舞台化されてきた名作『阿修羅のごとく』をモチーフにした『ゼブラ』が上演される!
作・演出には劇団ONEOR8(わんおあえいと)の作家・演出家の田村孝裕。親と子、夫婦、姉妹、ときどき兄弟。かなしくもおかしい、愛さずにはいられない"家族のきずな"を、シアタークリエという濃密な空間に紡ぎだす。斉藤由貴星野真里山崎静代(南海キャンディーズ)、そして大沢あかねといった個性豊かな出演者たちが何を魅せてくれるのか? 乞うご期待!

2009年6月9日(火)~6月29日(月)
日比谷シアタークリエ
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取材・文/ボブ内藤(方南ぐみ) 撮影/石井和広(TFK)

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